1月21日、中国でネットユーザーが多くのウェブサイトに接続ができなくなり、メールの送受信にも明らかな不具合が現れた。この接続異常は中国時間の午後3時ごろから5時ぐらいまで続いた。有力ポータルサイトの「百度」「新浪」「テンセント」などがことごとく影響を受け、過去に起きたネット障害の範囲としては空前のものとなった。

 原因は、ドメインネームとIPアドレスを対応させるドメインネームシステム(DNS)サーバーの異常だったようだ。ドメインとIPアドレスはネット上の住所のようなもので、ドメインはそれぞれの名称で例えばwww.fsight.jpのようないわゆるアドレスで、IPアドレスは例えば11.111.111.11のような数字の組み合わせ。ドメイン名をIPアドレスに変換することでネット上の通信が可能になり、この変換はネットの基本動作のようなもので、これが正しく行われないと、ネットそのものが成り立たない。

 21日は、不思議なことに、中国で多くのサイトに接続しようとすると、ことごとく「65.49.2.178」というIPアドレスにリダイレクト(転送)されてしまったという。このIPアドレスは米国ノースカロライナ州の「ダイナミック・インターネット・テクノロジー」という会社のものだった。この会社は中国政府のネット規制によって削除されたメッセージやつぶやきを復活させるソフトウェアを提供するなど、中国政府に対抗する団体や個人にとって役に立つビジネスを行っている会社だった。

記事全文を印刷するには、会員登録が必要になります。