今年元旦の日経新聞一面を飾ったソフトバンクの「サイバー大学」構想。インターネット上だけで講義を行なう新大学を、二〇〇七年春に福岡市で開校する予定と報じられた。 オンライン大学は元来、九州電力が構想していたが、資金が集まらず棚上げ。その後、韓国で先行するネット大学の実情を視察したソフトバンクの孫正義社長が再提案したことで一転、「七社会」など九州財界の有力企業各社が賛同したという。 ソフトバンク主導のネット大学が学生として想定するのは主婦層。育児の一段落した女性たちが家庭で持て余す時間に目をつけた。従来の教育市場の隙間需要を掘り起こすのが狙いだ。 校地・校舎なしでの株式会社による大学設立について、福岡市は国から特区の認定をすでに受けている。ただ、特区でも学長室・会議室・事務室の設置は必要とされており、そうした施設については同市の人工島が建設候補地となる。 もっとも、人工島は、土地計画を手がけた福岡市の第三セクターの汚職事件で開発が遅れたといういわくつきの立地。建設中の建物への入居は〇七年四月からだし、交通も不便だ。買い手のつかない土地の造成に税金をつぎ込んだ山崎広太郎市長の責任も問われている。

記事全文を印刷するには、会員登録が必要になります。