「大連立」も民主党の選択肢

執筆者:2006年2月号

 壁に「東大合格」と書いた紙を貼り、それでいて少しも受験勉強をしようとしない受験生。民主党を見ていると、いつもそう思う。「次は必ず政権奪取」と勇ましいが、どんどん遠のいていく。政権を目指すどころか、国民をがっかりさせることばかりしているように見える。 昨年九月、総選挙惨敗の責任を取って辞任した岡田克也代表の後任に、前原誠司氏が代表選挙で菅直人氏を二票差で破って就任した。四十三歳という若さと現実的な外交・安全保障に対する考え方などで、大いに期待できそうな新しい代表として注目を浴びた。そのとき、民主党は切り札を早く出しすぎたのではないかと感じた。 前原氏のような人物は、民主党が政権取りに勝負をかけるとき代表にすべきで、このタイミング、すなわち代表自ら泥まみれになって党改革に取り組まなければならないときは、むしろ菅氏や鳩山由紀夫氏ら代表経験のあるベテランでつないだほうがいいのではないかと思った。 民主党は今年九月に代表選挙を行なう。このまま行けば、前原氏はたった一年の使い捨てで終わってしまう可能性が大きい。まだ四カ月しかたたないのに、早くも代表としての資質を疑問視する声が党内に充満している。なにしろ民主党はこれまでだれが代表であっても、常に足を引っ張り合い、人材の無駄遣いばかり繰り返してきた。

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