ブッシュが仲裁に入ったパキスタン対アフガン
2006年4月号
「テロとの戦い」における米国の主要同盟国であるパキスタンとアフガニスタン両国の首脳同士が“大ゲンカ”し、ブッシュ米大統領が仲裁役を演じたという情報が流れている。 発端は、アフガンと国境を接するパキスタンのワジリスタン地方で取られたテロリスト対策だった。パキスタンのムシャラフ大統領は三月初め、米国のテレビ放送などに「タリバン残党やアル・カエダの掃討作戦を強化するため、同地方の部隊を増強した」と言明。ちょうどブッシュ大統領がアフガンのカブールを訪問中というタイミングであり、ムシャラフ発言の狙いが「テロとの戦い」での自国の貢献をアピールすることだったのは確実だ。 ところが、アフガンのカルザイ大統領が、このテロ対策部隊の増強について「パキスタンがこれまで掃討作戦をおろそかにしていた証拠」と発言。これを伝え聞いたムシャラフ大統領は猛反発したという。 アフガニスタンを離れたブッシュ大統領がインド訪問を経てパキスタン入りすると、ムシャラフ大統領はさっそく事情を説明。ブッシュ大統領は自らカルザイ大統領に電話して理解を求め、事態はようやく沈静化したと、イスラマバードの消息筋は伝える。
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