中国のエネルギー業界が、米国でのロビー活動を積極化させる。主体となるのは、二百余の企業からなる在米中国商工会(本部ニューヨーク)。昨年末、シカゴなど六地域に支部を設立したのに続き、今年から金融、製造業、IT(情報技術)、バイオ、エネルギーの五分野で本格的なロビー活動に着手する。 エネルギー分野には特に重点が置かれ、商工会は現在、この分野を得意とする複数の弁護士事務所に接触中。なかでも有力なのは、ワシントンの三大弁護士事務所のひとつ、エイキン・ガンプだ。昨年七月、中国海洋石油(CNOOC)が米ユノカルの買収を図った際、同事務所は米議会の強い反中ムードにもかかわらず、CNOOCを最後まで補佐した点が評価された。 一方、中国企業として中心的役割を果たすのは、中国最大の石油企業、中国石油化工(SINOPEC)。三十余りの在米エネルギー関連企業を拠点に、米石油業界との人的・技術的交流を深める意向だ。 米国の中国経済専門家は「ユノカル買収の失敗から中国が得た教訓は、米エネルギー産業との交流が重要だということ。買収や合併のようなハードな関係ではなく、ソフトな交流から始めることにした」と分析する。 在米中国商工会はまず、五月に訪米するCNOOCの最高幹部を米石油関連企業の経営陣に紹介し、米中エネルギー企業間の融和を進める意向という。

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