中国が南米ボリビアの左翼ポピュリスト(大衆迎合)政権に対し、大量のミサイルを供与する計画を進めているとの情報がある。中国がボリビアの豊富な鉱物資源に目をつけ、反米色が鮮明なモラレス政権を支援するとの観測が流れるなか、さっそく動きが始まった形だ。 ボリビアでは昨年、米中央情報局(CIA)の秘密作戦によって、肩に担いで発射できる小型ミサイル約四十基が国外に持ち去られている。モラレス政権が発足すればミサイルが反米テロリストの手に渡る可能性が高まると米国側が見たためだ。 モラレス大統領はこれに代わる小型ミサイルなど最新鋭の武器供与を、中国との協議で要請。大統領就任に先立って一月に訪中した際、中国側がミサイル提供の方針を伝えたとされる。大統領は就任後すでに数回、中国の密使と会談しており、ミサイル供与の具体的な段取りなどもテーマになっていた可能性がある。 一方、ボリビアの実質的な首都ラパスの米国寄り情報筋は、「CIAはボリビア軍部の親米派と接触し、クーデター計画を練っている」と指摘。「中国のモラレス政権への支援内容しだいでは早期に事を起こすこともありうる」と予想している。

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