ミャンマー国営テレビ(MRTV)は三月から、毎日午後八時の定時ニュースの後の天気予報で、首都機能移転先である中部の小都市ピンマナを最初に取り上げ始めた。ピンマナの“序列”が現在の首都であるヤンゴンや古都マンダレーより上になったことで、「軍事政権による首都移転計画はいよいよ本物」との観測も流れる。 だが、計画の発案者である最高実力者タン・シュエ国家平和発展評議会(SPDC)議長は、首都移転作戦の全権を腹心のトゥラ・シュエ・マン国防省陸海空軍作戦調整官(軍政指導部内序列三位)に委任。議長本人は、マンダレーで生活をしているとされる。 軍政当局は、在ヤンゴンの各国外交団に対し、ピンマナでの新たな大使館建設用地として、武官駐在の場合で七エーカー(約二万八千平方メートル)の土地提供を申し出ており、二〇〇七年七月頃から大使館の移転を許可すると伝えている。 とはいえ、移転を強制するまでには至っておらず、軍政当局筋によると、中国が移転先用地の下見を済ませただけで、それ以外の国からの打診はまだないという。 一方、ピンマナでは官庁街の建設が始まっている。そのため、平時でさえ不足気味の電力の供給がピンマナに集中。その煽りで、ヤンゴンでは停電が一日八時間に及ぶ日も出てきた。

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