クリミア介入「旧KGB同僚4人」で決定か?

執筆者:名越健郎2014年4月1日

 ロシアの電撃的なウクライナ領クリミア編入に至る政策決定の経緯はナゾだが、断片的な情報がメディアで報じられている。プーチン大統領を中心に、一握りのシロビキ(武闘派)による密室決定だった模様で、事実なら、1979年末の電撃的なソ連軍アフガニスタン侵攻を彷彿とさせる。

 

アフガン侵攻型

 ニューヨーク・タイムズ紙(3月7日付)が当局者や専門家らの話として報じたところでは、クレムリンがクリミアへのロシア兵派遣を決断したのは、2月25日夜か26日未明。決定に関与したのは、プーチン大統領のほか、セルゲイ・イワノフ大統領府長官、パトルシェフ安保会議書記、ボルトニコフ連邦保安局(FSB)長官の4人という。いずれもサンクトペテルブルク派で、1970年代後半から80年代初期、KGB(ソ連国家保安委員会)レニングラード支部でプーチン氏の同僚だった。

 

 同紙は、「クリミア軍事干渉の決定は、安保会議ではなく、プーチン大統領が最も信頼する一握りの最側近グループによって秘密裏に下された。外務省幹部や、経済的打撃や欧米の反発を考慮する比較的リベラルな側近らは排除された」としている。それは、2012年に大統領に復帰したプーチン氏が、国内リベラル派のデモや欧米の人権非難に直面し、保守主義を強めた証左だと同紙は分析した。

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