韓国が国を挙げて次期国連事務総長に推挙する潘基文外交通商相に対し、国連内部では早くも逆風が吹き始めている。 国連安全保障理事会関係者によると、現在までのところ、国連の中で最も多くの情報が飛び交っている候補は潘基文氏。「韓国の盧武鉉大統領が二月十六日に外交通商部幹部を集め、潘基文選出のためにすべてを賭けよと指示したとの情報メールが国連内で回覧された。その後、国連職員の間では韓国の外交官との接触は避けようとの空気が生まれている」という。 現在のコフィ・アナン事務総長は、ブトロス・ブトロス・ガリ氏の後任として選出される直前まで注目を集めておらず、それゆえに勝利を収めた。ところが、「韓国は早くから動いたため、多くの敵を作っている」と、前出の安保理関係者は語る。 潘氏への逆風は、米国のジョン・ボルトン国連大使が、「次期事務総長は、アジア圏ではなく東欧圏から出る」と発言した後、さらに強くなった。米国の支持がない候補が事務総長に選出される見込みはない。 潘氏に対する国連内世論の冷淡さは、国連が重視する人権問題に対する韓国の姿勢への批判からとの見方もある。 国連人権委員会の幹部職員は「去年十二月の国連総会で採択された北朝鮮の人権状況に関する決議案の採決を韓国は棄権した。西側諸国のうち北朝鮮の人権問題に熱心でないのは韓国だけ。潘氏はその責任者だ」とし、「韓国の候補は、人権問題に熱心な欧州諸国の支持を得られないだろう」と読む。

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