現時点ではポロシェンコ氏優勢だが、まだまだ予断を許さない (C)AFP=時事
現時点ではポロシェンコ氏優勢だが、まだまだ予断を許さない (C)AFP=時事

 ウクライナの知人が決まって土産にくれるチョコがある。「旧ソ連や旧東欧では知らない人のないブランドですよ」と、いつも自慢げだ。ベルギーやフランスの手づくりチョコの味を知った身にはさほど驚くほどでもないが、それでも重厚で素朴なその味わいには、人気の理由もわかる気がする。

 そのチョコの製造元、製菓大手「ロシェン」を経営して「チョコレート王」の異名を持つ人物が、いまウクライナで注目の的だ。5月25日に予定されている大統領選で最有力候補の座に急浮上したペトロ・ポロシェンコ氏(48)である。

 キエフの市場調査会社が社会学者グループと共同で実施して3月26日に発表した世論調査によると、ポロシェンコ氏は24.9%の支持を得て、他を大きく引き離した。2位はボクシング元ヘビー級世界王者で2月の政変の立役者の1人、ビタリ・クリチコ氏の8.9%で、元首相のユリア・ティモシェンコ氏が8.2%で続いた。クリチコ氏は3日後 、大統領選でポロシェンコ氏を支持し、自らはキエフ市長を目指すと表明した。

 キエフ中心部で続くデモには早速、両者の連携に期待して「ウィリー・ウォンカとロッキーはドリームチーム」と英語で書かれたプラカードが登場した。ウィリー・ウォンカとは、英作家ロアルド・ダールの小説『チョコレート工場の秘密』に登場する工場主の名前。ロッキーは、言うまでもなくボクサーだ。

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