米若年層の「共和党離れ」がますます加速

執筆者:足立正彦2014年4月15日

 最近、米国の有権者の支持政党に関する世論調査で、ある特定の有権者層の政党支持の傾向が共和党の将来に不吉な兆しを示している。その1つは米ギャラップ社が今年3月28日に公表した若年層の政党支持に関する世論調査結果である。この調査では18才から29才までの若年層の間で従来よりも益々民主党支持が鮮明になっていることが明らかになった【リンク】。具体的には、1993年から2003年までの10年間に、若年層の間での民主、共和両党に対する平均支持率は、自らを民主党員あるいは民主党寄りの無党派層と回答した民主党支持が47%であったのに対し、共和党員あるいは共和党寄りの無党派層との共和党支持の回答は42%と民主党がわずか5ポイントの優位であった。ところが、2006年から昨年まででは若年層の間での民主党支持が平均54%に達する一方、共和党支持は36%となり、民主党支持が共和党支持を実に18ポイントも上回り、圧倒していることが判明した。

 米世論調査機関ピュー・リサーチ・センター(PRC)も3月7日、人口動態別の投票行動についての世論調査結果を公表した。PRCの世論調査結果では、18才から33才までの若年層は近年益々民主党寄りになっており、共和党は今後の選挙において若年層との関係で重大な問題を抱えつつあることが判明した【リンク】。若年層は最近リベラル志向を一層鮮明にしており、数世代前と比較した場合、民主党支持の傾向がさらに強まっているとPRCは指摘している。

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