北朝鮮は4月8日に朝鮮労働党政治局会議を開催し、翌日の9日に最高人民会議第13期第1回会議を平壌の万寿台議事堂で開催した。最高人民会議の第13期代議員(国会議員)は金正恩(キム・ジョンウン)体制に入って初めて改選されたメンバーである。昨年末の張成沢(チャン・ソンテク)氏の粛清、処刑もあり、金正恩第1書記の「唯一的領導体系」確立に向けて大きな世代交代、権力機構の改編などがあるのではという見方も出たが、結果的に大きな変化はなく、世代交代や金正恩第1書記の新体制構築よりは安全運転による政権安定を目指した内容となった。

 金正恩体制の1つの特色は、一応の機関決定の手続きを重視していることである。昨年末の張成沢氏の粛清、処刑も党政治局拡大会議を開いて決め、国家安全保衛部の特別軍事裁判で死刑を宣告、処刑した。

 金日成(キム・イルソン)時代は最高人民会議を開催する前には党中央委員会総会を開催し、最高人民会議へ送付する案件を党中央委総会で決定した。北朝鮮は党の国家であるから、国会での決定事項は党が事前に決定しなければならない。

 金正恩第1書記は昨年3月31日に党中央委総会を開き、経済建設と核開発を並行して進める「並進路線」を決定して、翌4月1日にこの路線を受けて核保有を法制化する法律を採択するなどした。

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