アフリカ大陸最大の国土を持つスーダンの西部ダルフール地方で紛争が勃発してから二月で三年が過ぎた。今も、政府軍の支援を受けたアラブ系武装集団と地元部族との間で激しい戦闘が続いている。この三年の間に五万人以上が殺され、二百万人以上が難民になったとされる。「昨秋以降、紛争は激しさを増している。しかもSLA(スーダン解放軍)とJEM(正義と平等運動)という二大反政府勢力がそれぞれ細分化され、各派バラバラに動くようになり、事態はますます混沌としている。(二〇〇四年四月の)停戦合意を守っている者などいない」。来日したWFP(世界食糧計画)スーダン事務所代表ラミロ・ロペス・ダ・シルバ氏(五七)は嘆く。 停戦監視のためにアフリカ連合(AU)が部隊を派遣してきたが、そもそも与えられた権限が小さいために機能を十分に果たせず、予算も尽きるため、今年九月以降は国連に停戦監視業務を移管したいと考えている。ところが、スーダン政府が国連PKO(平和維持活動)部隊の受け入れを拒否している。「なんとか九月までにスーダン政府を説得したい。少し態度を軟化させているので、さらに説得を続けたい。急がないと、国連部隊がダルフールに入る頃には、殺されるか難民として西の隣国チャドに逃れるなどして、守るべき住民がいなくなってしまう恐れがある」と、ロペス・ダ・シルバ氏は警告する。

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