日本でも米国でもあまり大きなニュースにはならなかったが、先月末にトヨタが、カリフォルニア州ロサンゼルス郊外のトーランス市にある北米総本社を、今後3年かけてテキサス州ダラス郊外のプレイノ市に移すことを発表した(http://www.nytimes.com/2014/04/29/business/toyota-will-shift-4000-to-new-offices-in-texas.html?_r=0)。

 筆者は2008年にサザンメソジスト大学に職を得てダラスに移ってきたのであるが、米国の大都市にしては日本人が少ないというのがこの町の印象であった。日本との接点を意識したのは、当時ジョージ・W・ブッシュ大統領の政権下、駐日米国大使を務めていたトーマス・シーファー氏がダラスの隣町フォートワース市出身であることぐらいであった。

 その後、東日本大震災の折に「トモダチ作戦」を指揮したパトリック・ウォルシュ米国太平洋艦隊司令官が退役後、2012年に故郷のダラスに戻ってきて、ダラス・フォートワース(DFW)都市圏は、元駐日大使と元太平洋艦隊司令官の両方が居を定める全米でも珍しい都市となった。

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