海軍力の近代化と増強を着々と進める中国軍が、昨年から今年にかけてロシアから六隻のキロ級潜水艦を受け取り、海南島などに次々と実戦配備しているが、このキロ級潜水艦にロシアが開発した最新鋭の対艦防衛システム「クラブ」が装備されている可能性が高い。「クラブ」は、対艦・対潜水艦攻撃用の巡航ミサイルと、ミサイル迎撃システムをパッケージにしたもの。軍事専門家によると、東シナ海や南シナ海で活動する日本の海上自衛隊や米海軍の艦船や潜水艦に対する攻撃と同時に、ミサイル攻撃からの防衛も担う。 レーダー誘導で海面スレスレの低高度で飛ぶことも可能な複数の攻撃・迎撃ミサイルを効果的に運用できるとされ、東シナ海、南シナ海での覇権確保を狙う中国海軍にとって大きな武器となる。逆に海自や米海軍には脅威となりそうだ。 海自は米海軍からの情報を基に、最新のキロ級潜水艦が既に海南島の潜水艦基地に配備されたとの情報を得ている。六月にハワイ沖で実施される米海軍イージス艦の海上配備型迎撃ミサイル「SM3」による迎撃実験には、日本のイージス艦「きりしま」を派遣し、米海軍と共同訓練する予定で、中国と日米によるミサイル戦力拡充競争は過熱しそうだ。

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