六月六、七の両日、ウィーンで開催される鳥インフルエンザの感染拡大防止に向けた「インフルエンザ国際パートナーシップ(IPAPI)」の高級事務レベル会合は、米・オーストリア(EU=欧州連合=議長国)に加え中国の共催となる方向が固まった。 昨年九月にアメリカが提唱したIPAPIのコアグループの一員である日本には、四月末になって「中国も共同議長国になる」との情報が届いた。日本政府幹部によると、「慌ててアメリカに問い合わせたが、EUに聞けの一点ばり。EUに聞くと、『中国をホストに一月に北京でEU・世界銀行が共催した鳥インフルエンザ対策の資金拠出に関する国際会議からの流れだ』と説明された」という。 二〇〇八年の北京オリンピックまでに中国への従来型のODA(政府開発援助)を停止すると決めた日本は、代わりに省エネ・公害技術と並び感染症対策を対中技術協力の中心に据える算段だった。だが“感染症のデパート”の中国は、国際会議で他国に主導権を渡せば国内の対策にも口を挟まれるため、共催国となって“行動の自由”を確保する腹だ。今後も感染症対策でおいそれと日本の協力を仰ぐかは疑わしい。

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