「一夜で2回の夕食」オランド仏大統領の苦肉の策
2014年6月16日
反目する2人の仲を取り持つため、間に立った人が3人での食事会を呼びかける。しかし2人は「あなたとはいいが、奴とは嫌だ」と言う。都合がつくのは一夜しかない。間に立った人はどうするか。食事会を見送るか、2人と時差をつけて別々に食事するか――。
フランスのオランド大統領が選んだのは後者、すなわち一夜に2回食事をすることだった。反目する2人はオバマ米大統領とプーチン露大統領である。
最初にオバマ大統領
ノルマンディー上陸作戦(1944年6月6日)の70周年記念式典を翌日に控えた6月5日午後7時すぎ、パリの凱旋門近くにある1つ星レストラン「シベルタ」に黒塗りの車が横付けされた。防弾の特殊装備の大型車から降り立ったのはオバマ大統領。出迎えのオランド大統領と握手をし、物見高い人垣に手を振りながら店内に入った。
オランド大統領は米露両首脳がパリ入りする5日夜、エリゼ宮で3首脳の夕食会を打診していた。ロシアがウクライナのクリミアを自国領に編入して以降、米欧とロシアの関係は悪化。このままにしておくのは フランスにとっても得策でない。
記事全文を印刷するには、会員登録が必要になります。