ニューヨーク証券取引所を運営する「NYSEグループ」とフランスやオランダ市場を運営する欧州多国籍取引所の「ユーロネクスト」が経営統合で合意した。NYSEは現物株、ユーロネクストは先物株やオプション取引などデリバティブ(金融派生商品)を得意とする。両取引所の統合で米欧双方の株式やデリバティブを注文できるようになり幅広い取引が実現する。 米欧をまたぐ巨大市場(上場企業の時価総額が東京市場の三・五倍)が誕生したわけだが、話はそれで終わらない。「NYSEユーロネクストはグローバル戦略の一環として日本市場、とりわけ大阪証券取引所の買収を検討している」(日本の大手証券幹部)という。 これは、米第二位のナスダック市場を運営するナスダック・ストック・マーケットがロンドン証券取引所の株式二五%を取得、統合を模索していることと関係している。「ナスダックも日本の証券取引所との提携を検討しており、それに先んじて、東証への一極集中で影の薄い大証に触手を伸ばすことでナスダックの動きを牽制する狙いがある」(同)からだ。大証にも「低迷打開のために日本のジャスダック証券取引所との提携・統合も水面下で検討している」(大証関係者)との話もあるが、生き残りのためには世界最大の証券取引所との統合も選択肢になりそうだ。

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