「米国の不在」で深刻化する世界情勢に必要な「日本の覚悟」
2014年7月1日
2014年も半分が終わり、年の後半に入る。様々な空騒ぎがあり、方向感を見失わせるような出来事が相次いだ。これから何が起こるのかを見極めるためにも、この半年で起きたことを整理してみよう。何よりもグローバルな地殻変動が際立つ。
収拾がつかなくなった「Gゼロ」世界
米コンサルタント会社のユーラシア・グループが年初に発表する「10大リスク予測」が手掛かりとなる。2014年についての予測は次の通りだ。
リスク1:難局に立つ米国の同盟関係
リスク2:新興国の多様化
リスク3:新しい中国
リスク4:イラン
リスク5:産油国
リスク6:戦略的データ
リスク7:アル・カーイダ 2.0
リスク8:中東の動揺の広がり
リスク9:ロシアの気まぐれな大統領府
リスク10:トルコ
リスク1から3、9と10はすでに現実のものとなった。にわかに混迷の度を増してきたイラク情勢をみるにつけ、直近の状況で興味深いのは7の「アル・カーイダ2.0」と8の「中東の動揺の広がり」だろう。
リスク7については、「アラブ世界の混乱は、スンニー過激派ならびにブランドとしてのアル・カーイダの強力な再生をもたらした。また、シリア内戦は、聖戦主義者の人員募集の強力な誘因と化している」と指摘している。
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