米国の「長き不在」に国際社会は緊迫度を高めている (C)AFP=時事
米国の「長き不在」に国際社会は緊迫度を高めている (C)AFP=時事

 2014年も半分が終わり、年の後半に入る。様々な空騒ぎがあり、方向感を見失わせるような出来事が相次いだ。これから何が起こるのかを見極めるためにも、この半年で起きたことを整理してみよう。何よりもグローバルな地殻変動が際立つ。

 

収拾がつかなくなった「Gゼロ」世界

 米コンサルタント会社のユーラシア・グループが年初に発表する「10大リスク予測」が手掛かりとなる。2014年についての予測は次の通りだ。

 リスク1:難局に立つ米国の同盟関係

 リスク2:新興国の多様化

 リスク3:新しい中国

 リスク4:イラン

 リスク5:産油国

 リスク6:戦略的データ

 リスク7:アル・カーイダ 2.0

 リスク8:中東の動揺の広がり

 リスク9:ロシアの気まぐれな大統領府

 リスク10:トルコ

 リスク1から3、9と10はすでに現実のものとなった。にわかに混迷の度を増してきたイラク情勢をみるにつけ、直近の状況で興味深いのは7の「アル・カーイダ2.0」と8の「中東の動揺の広がり」だろう。

 リスク7については、「アラブ世界の混乱は、スンニー過激派ならびにブランドとしてのアル・カーイダの強力な再生をもたらした。また、シリア内戦は、聖戦主義者の人員募集の強力な誘因と化している」と指摘している。

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