閣議決定のあと、経団連の榊原定征会長らとも意見交換した (C)時事
閣議決定のあと、経団連の榊原定征会長らとも意見交換した (C)時事

 安倍晋三内閣は6月24日、「日本再興戦略改訂2014」を閣議決定した。同時に財政運営の基本方針である「骨太の方針2014」と、「規制改革実施計画」も閣議決定し、安倍内閣が今後進める政策パッケージが出そろった。再興戦略改訂は昨年6月にまとめた成長戦略「日本再興戦略」の見直し版という位置づけだが、昨年は切り込めなかった労働市場や農業、医療といった分野のいわゆる「岩盤規制」に挑んでおり、新聞各紙は「新しい成長戦略」と位置付けている。こうした岩盤規制への切り込みに目が行きがちだが、もっとも重要な点は、企業に対する政策の軸足を180度転換したことにある。

 

「国」より「企業」の変革を

 今回の成長戦略は、これまでと立脚点が大きく変わった。真っ先に掲げたのが、「日本の『稼ぐ力』を取り戻す」というキャッチフレーズだが、その冒頭には、「企業が変わる」というタイトルが躍る。2番目の「国を変える」よりも先に、企業の変化を求めているのだ。

これまでの国の政策では、国が何をするかに力点が置かれてきた。力点というよりも、すべては国が何をするかが国の政策だったと言ってよい。何はともあれ 民間をどうやって支えていくか、という視点で政策が作られていた。経団連など経済界からの要望を受けて、何らかの 便益を与えるというのが中心だったのだ。

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