「イオンがローソンの株式取得に動くのではないか」 いま、銀行界で密かにそうした観測が流れている。 総合スーパー(GMS)大手のイオンは、今年になって“攻め”を活発化させている。TOB(株式の公開買い付け)でドン・キホーテに競り勝ったオリジン東秀(弁当・惣菜)の子会社化、仏カルフール日本法人の買収などで「(二〇一〇年までに売上高で世界の小売業の上位十社に入るという)グローバル10」構想の一環として、国内事業の底上げを狙った。 最大の仕掛けは銀行業への参入宣言だった。この三月、イオンは全国に展開するGMSや商業施設の集客力を生かして預金を獲得し、テナント事業者向けの融資などを行なう「リテール(小口金融)・フルバンキング」への参入を発表した。〇七年の設立を目指す。イオンは本業のGMS事業よりもクレジット業務や商業施設の開発などで連結収益を伸ばしており、銀行業への参入で収益基盤のさらなる拡大を図る考えだ。「イオン銀行」は資本金を六百億―七百億円とし、イオン本体のほか、イオンクレジットサービスやミニストップなどグループ会社の出資を予定している。開業五年後には、(1)口座数は三百万口座以上、(2)ATM(現金自動預払機)設置台数は二千台以上、(3)預金残高は六千五百億円以上という中期目標を掲げている。

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