北朝鮮が今年七月五日にテポドン2号を含む一連のミサイル発射を行なった直前、ロシア当局が北朝鮮に対し、核物質の保全装置などを売り込もうとしていたようだ。 モスクワの消息筋によれば、六月末に平壌でロシアや欧州の企業が参加した情報技術見本市が開催された際、ロシア国営の兵器メーカー「アトラス」社の展示場に来た北朝鮮の軍高官らにロシア連邦情報技術局の幹部らが接触したという。 ロシア側幹部は、暗号化技術のほか、この見本市には展示されていなかった核物質の保全システムや搬送装備などを数時間にわたって説明し、技術上の利点や優秀さを積極的に宣伝した。説明を受けた北朝鮮軍高官らは購入に強い関心を示し、近く実物を見るためロシアにミッションを派遣することを約束したという。 ロシア当局による核物質保全システム売り込み工作は、タス通信によって同情報技術局幹部の話としていったん報じられたが、すぐに取り消された。在平壌ロシア大使館の圧力によるものだとの見方が有力だ。 しかし、米国務省がこの情報を入手して、ホワイトハウスに伝えた。米政府はロシア側に抗議し、詳しい説明を求めたという。

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