「景気息切れ」で試される安倍政権の「本気度」
2014年8月29日
景気が夏バテし、息切れしている。4-6月期の実質国内総生産(GDP)が前期比年率6.8%のマイナス成長に陥ったのをはじめ、さえない数字が目立つ。7-9月期の景気がどの程度持ち直すかは、12月初めの消費税再引き上げ判断 をも左右する。経済立て直しに賭ける政権が迎える魔の時だ。
天候不順という逆風
4-6月期のGDPの落ち込みは、1-3月期の実質成長率が消費税引き上げ前の駆け込みで前期比年率6.1%まで高まった反動である。政府・日銀はそうした説明を繰り返す。消費税引き上げの影響は徐々に減衰していくはずだから、7月以降の景気は回復に向かうはずだ。この辺がエコノミストの一般的な見方である。
そうだとよいが、7月の百貨店、スーパーの売り上げをみると、そうは楽観的になれない。いずれも前年同月比でマイナスが続いているからだ。ならば8月はというと、一段と苦戦が予想される。消費税の引き上げで家計の実入りが減ったうえに、ガソリン代の上昇はクルマが欠かせない地方の消費者にとって重圧になった。
天候不順という逆風も見逃せない。東京にいると気づきにくいが、西日本の今年の夏は雨降りに祟られた。気象庁が「平成26年8月豪雨」と名付けた異常気象。何十年に1度という豪雨に見舞われた街は水浸しになった。激甚災害に指定された広島市のように土砂崩れに襲われたところも少なくない。
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