アメリカは、パキスタンから米本土への直行便就航を当分の間、許可しない方針であることが明らかになった。サイド・タンヴェール・フサイン・パキスタン議会事務局長が八月十一日に行なった議会証言によると、アメリカはパキスタン全土の空港でのセキュリティ検査強化のため、設備を提供するなどの協力を約束する一方で、直行便の航行禁止は続けると通告した。 パキスタン国際航空(PIA)は本国とニューヨーク、ヒューストン、シカゴを結ぶ三つの路線を持つが、いずれも直行便ではなく、ヨーロッパかペルシャ湾岸の国を経由する。 航空専門家によれば、アメリカ政府はパキスタンの手荷物検査が甘いと考え、第三国を経由させれば、その国で手荷物などの再検査が行なわれるため、それによって自国の安全を確保しようとしているという。 フサイン氏によれば、パキスタン政府は全ての空港で入念な保安体制を敷き、カラチ、イスラマバード、ラホールの各都市の空港では武装警官を増強したが、アメリカ政府は「満足していない」という。 直行便を引き続き認めないというアメリカ政府の決定は、アメリカ行きの大型旅客機を標的としたイギリスでのテロ未遂発覚後に伝えられた。テロ計画首謀者の兄と見られるラシド・ラウフは八月九日にパキスタン国内で逮捕されている。

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