一時は主戦論に立った元国防長官だが、北朝鮮が核実験を済ませた今となっては有効な攻撃目標さえないという。米政権はどこでどう間違ったのか――。また、この先、北朝鮮に核の行使を許さないために、できることとは何なのか。[ワシントン発]ウィリアム・ペリーが国防長官だった一九九四年から九七年の間に、クリントン政権は北朝鮮の核関連施設を爆撃する直前まで準備を進めたことがある。この時は最後は外交交渉に委ねられた。だが今年六月、北朝鮮が長距離ミサイル・テポドンの発射実験を準備中だと伝えられると、ペリーは『ワシントン・ポスト』紙にアシュトン・カーター元国防次官と連名で寄稿し、ミサイルが発射される前に先制攻撃を仕掛けるべきだと論じた。「我々はチャンスを生かせなかった」――十月九日、『フォーサイト』のインタビューに応じたペリーは、北朝鮮が核実験を実施した今、もはや武力行使のタイミングさえ失われてしまったと語った。米政権内の分裂が問題――何が、こんな事態を招いたのでしょう。ペリー 端的にいえば、アメリカが十分な注意を払ってこなかったこと。同時に、北朝鮮の核武装への意思がそれだけ強かったということです。北朝鮮は、八〇年代からずっと核兵器を手に入れようとしてきた。そしてこの間、一度も諦めなかった。先代のブッシュ政権とクリントン政権は、彼らの「邪魔」をすることはできても、野望を捨てさせることはついにできなかったのです。

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