拙著『ウェブ進化論』が二月に刊行されてまもなく、韓国と台湾の複数の出版社から版権交渉の連絡が入った。韓国語版、中国繁体字版の出版社をそれぞれ一社選び、契約を締結した。考えてみれば、米国主導のウェブ進化への問題意識は、日本と韓国、台湾に共通するものなのだ。自著が他国語に、しかも近隣の重要な二つの言語に翻訳されるという思いがけない展開に心躍る思いだった。しかし翻訳にはかなりの時間がかかるし、出版はまだ先のことだろうと勝手に思い込んでいた。「rokengalan『私は韓国に住む91年生まれ中学生です.今度韓国語版で出た「WEB SHINKARON」を感銘深く読みました.シリコンバレーで働くのが夢で,日本語も少しずつ勉強しています.翻訳機を通じて再び訪問するでしょ.』」 私のブログ(http://d.hatena.ne.jp/umedamochio/)のコメント欄にこんなメッセージが飛び込んできたのは、九月末のことだった。「韓国に住む91年生まれ中学生」かぁ。嬉しくも軽いショックを感じながら、rokengalan君のこのコメントをブログで紹介しつつ、私はこう書いた。「ハングルはさっぱりわからないので、『ウェブ進化論』韓国語版のネット上での反響など、気がついたことがあったら是非、コメントやトラックバックでお知らせいただけると大変ありがたいです」

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