要注目「未来の米大統領」も立つ州知事選

執筆者:リンダ・フェルドマン2006年11月号

アメリカ中間選挙が迫ってきた。苦戦の共和党は三十六の州知事選でも四苦八苦。民主党は将来の大統領候補を立てて押しまくる。[ワシントン発]マーティン・ヴァン・ビューレン、グローバー・クリーブランド、セオドア・ルーズベルト、フランクリン・ルーズベルト――この四人はすべて、ニューヨーク州知事を経て、のちに米国大統領の座に就いている。では、エリオット・スピッツァーも、四人と同じ輝かしいステップを踏むことができるのか。 スピッツァーは、企業の不正追及など、鮮やかな手腕を見せ続ける現ニューヨーク州司法長官(民主党)だ。彼が同州の次期知事に選出されるのは確実で、やがては有力な大統領候補になると見られている。 ニューヨーク州はむろんのこと、現代のアメリカ政界では、知事官邸は未来の大統領の訓練場とみなされている。実際、ブッシュ現大統領をはじめ、クリントン、レーガン、カーターと、過去五人の大統領のうち先代ブッシュ大統領を除く四人までもが州知事出身だ。 十一月七日の中間選挙が近づくにつれ、民主・共和のどちらが上下両院の過半数を獲得するか、その激烈な選挙戦が紙面を飾ることが多くなった。だが、この日、同時に実施される州知事選挙では、民主党が全米知事の過半数を占める勢いになっており、もしそうなれば、これは一九九四年以来、実に十二年ぶりのこととなる。

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