10月20日、7月の選挙で勝利したジョコ・ウィドド(通称ジョコウィ)がインドネシア共和国第7代大統領に就任した。10月27日には新内閣も発足し、国民の高い期待を背負った新政権がいよいよ船出した。ジョコウィ大統領は「すぐに行動せよ」と大臣たちに号令をかけ、自身も早速全国を飛び回っている。11月に開催される一連の国際会議――北京でのアジア太平洋経済協力会議(APEC)首脳会議、ミャンマー・ネピドーでの東南アジア諸国連合(ASEAN)関連会合、豪ブリスベンでの主要20カ国・地域(G20)首脳会議――のすべてに参加し、国際社会にもデビューを果たす。

 だが、新政権の行く手には早くも難題が待ち受けている。

 

敗北を受け入れた敗者プラボウォ

 上下両院をあわせた国民協議会(MPR)で開催された大統領就任式には、両院議員682人と国内外の招待客650人以上が出席した。しかし、この直前まで、平穏に就任式が開かれるのか危ぶむ声があがっていた。というのも、7月の大統領選でジョコウィと争ったプラボウォ・スビアントが、選挙結果確定後も敗北を認めようとせず、下院・国民議会の過半数を握る野党各党が就任式をボイコットする動きまで見せていたからだ。

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