何よりも「変化」が選ばれた米中間選挙

執筆者:リンダ・フェルドマン2006年12月号

有権者は明らかに変化を求めた。しかし民主党にも決め手はなく、イラク政策の転換は容易なことではない。アメリカはどうなるのか。[ワシントン発]首都の空気が変わる。十一月七日の中間選挙で過半数の有権者が示した意思のとおり、来年一月から、民主党が久しぶりに上下両院を支配する。 多くの人が認めるように、この選挙はジョージ・W・ブッシュ大統領とイラク戦争に対する不信任投票に他ならなかった。「一党支配に終わりを。我々は変化を求める」――有権者の声は明らかだった。 この結果、ひとつ歴史的な変化が起きる。一月三日、民主党下院院内総務のナンシー・ペロシが初の女性下院議長に就任し、米政治史上最高位の女性となる。下院議長は副大統領に次ぐ大統領継承権を持つ。 しかし、懸案のイラク問題では、変化はそう簡単には起こらない。有権者の声を受けて、ブッシュ大統領は何らかの「収拾策」を取らざるを得ない。とはいえ、ここまで事態が悪化してしまった戦争の「収拾」は容易なことではない。 その意味では、選挙戦そのものに収拾策のヒントはなかった。というのも、勝利した民主党候補たちのイラク戦争に関する立場は、米軍の即時撤退を求めるものから、撤退期限の設定を拒否するものまで、あまりに様々だったからだ。

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