中国初の空母が来年、就役する。軍中央の幹部によれば、ロシアから購入した退役空母「ワリヤーグ」(六万トン級)を遼寧省大連の造船所で全面改修していたが、ほぼ完成。海軍南海艦隊に配属し、バース工事が進む海南島の三亜を母港とする。すでに米国には「正式に概要を通知した」という。 艦載機はスホーイ33を五十機、二十五億ドルでロシアから購入する方向で交渉がほぼまとまった。年内にもまず二機の引渡しを受け、ウクライナで訓練を受けた南海艦隊航空兵部の熟練パイロットが、海南島配備前に大連沖の渤海で離着艦訓練を披露し軍の士気を高めるセレモニーの計画もあるという。 レーダーなど電子装備の遅れや、長い航続距離をもつ固定翼の艦載型早期警戒機の開発は「将来の課題」として先送りしたようだ。陸上配備の航空勢力が届く範囲を主舞台とする「近海防御型の空母」になる。もっとも、空母護衛の要のイージス艦はすでに進水、空母自体にもミサイル巡洋艦並みの対艦・対空ミサイルを搭載している。 今年三月、軍総装備部の汪致遠・科学技術委員会副主任(中将)が中国系香港紙「文匯報」に空母建造計画を明言。さらに十月下旬、国務院のネット媒体の取材に対し孫来燕・国防科学技術工業委員会副主任兼国家宇宙局局長が、「中国もやがて空母を配備できるようになるだろう」「造船工業や関係部門の発展などを総合的に研究しなければならない」と述べたと、人民日報ネット版が伝えた。公式発表ではないが、いずれも「実質的な発表」だという。

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