イラン核問題交渉の期限が迫る

執筆者:池内恵2014年11月23日

イランの核開発交渉が大詰めに差し掛かり、最終期限とされてきた11月24日を迎えようとしている。

伝わってくる情報の限りでは、交渉の進展ははかばかしくない。今年7月に設定されていた期限のぎりぎりまで交渉した際の相互の歩み寄りから、一歩も出ないまま今>回の最終期限に達してしまった模様だ。今回の期限で最終合意に達することは難しそうだ。

もちろん、大胆な妥協を相互に行い、歴史的な米・イラン和解の合意^Hがなされる、という可能性が全くないわけではない。そのような場合は、合意の発表前に事前に>情報が漏れることはないだろうから、現在まで全く情報が出てこないのは不思議ではない。

しかしおそらくはそのようなサプライズはなく、交渉の進展について情報が出てこないのは、実際に進展していないからだろうと私は考えることにしている。もし極秘>の水面下の交渉があったとしても、いずれにせよ筆者は事前に知る立場にない。そのような立場からの推測であることを断っておきたい(なお、そのような重大な秘密交渉 については、米政府高官を含めた世界中のほとんどあらゆる人々にとって知る術はない)。

しかし今回の交渉期限内に最終合意ができなかったからといって、米イランの交渉が決裂し全面的な対立に戻るわけではなさそうだ。そして、だからこそ交渉はまとま>りにくくなっている。

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