「大阪証券取引所の久々のヒット商品」という声も上がっている。大証が七月十八日から始めた先物取引「日経225ミニ」。開設三カ月で個人投資家が取引高の半分を占める人気ぶりで、大証の米田道生社長が「これほど短期間に急成長するとは思わなかった」と驚いたほどである。 お気付きの人も多いだろうが、昨今の株式市場では「先物主導で株価下落」「先物につられて株価上昇」などと報じられることが多いように、先物相場が株価を先導している。この先物とは大証が一九八八年に導入した「日経225」だ。バブル崩壊後には、ゴールドマン・サックス証券やリーマン・ブラザーズなど、外国証券が先物を売る一方、現物株を買い、その後に現物株を投売りして株価を急落させ、つられて下がった先物を買い戻して大儲けする裁定取引が活発化。外資が株価を操作していると騒ぎにもなった。 その日経225先物(ラージ)をひと回り小さくしたのが日経225ミニ。具体的にいえば、平均株価が一万七千円のとき、ラージは一千倍の千七百万円分(単位は「一枚」)を取引するが、ミニは百倍の百七十万円分とラージの十分の一で、六万円ほどの証拠金を差し出すことで取引できる。そんな小型ぶりが受けたのか、ラージの取引枚数を上回っている。

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