「留学生30万人計画」は2008年、福田康夫内閣で打ち出された (C)時事
「留学生30万人計画」は2008年、福田康夫内閣で打ち出された (C)時事

 政府が「留学生10万人計画」の実現に向け躍起になっていた2000年代初め、中国などから出稼ぎ目的で入国する“偽装留学生”の増加が問題となった。彼らは地方の短期大学などに籍だけ置き、留学生に許可される時間以上の不法就労に従事していた。そして「留学生30万人計画」が推進されている今、「留学」を隠れ蓑にして来日する外国人が再び目立ち始めた。

 留学生のアルバイトは、法律で「週28時間」以内しか許されない。しかし、実態は形骸化している。人手不足の深刻化もあって、規定を超えて働くことは簡単だ。

「30万人計画」の達成は、2020年が目標だ。しかし現在、外国人留学生の数は約17万人で、達成への道のりは遠い。しかも10年前には留学生全体の7割に上った中国出身者は、自国の経済発展や日本との関係悪化もあって減少傾向が続く。また、大学や短大へ留学する学生の数も過去3年間は増えていない。

 その一方、急増しているのがベトナムやネパールといった新興国からの留学生だ。その受け皿となっているのが日本語学校である。日本語学校で学ぶ留学生の数は昨年度で約3万8000人に達し、前年から9000人近くも増えた。そのうち8000人以上がベトナムとネパールの出身者だ。

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