欧米では赫々たる成果を上げてきたフランスの“再建屋”。はたして借金漬けのわが地方自治体に福音をもたらすのか。 東京・丸の内にある明治生命館。太平洋戦争の終戦後、アメリカ極東空軍司令部として使用するためにGHQ(連合国軍最高司令官総司令部)が接収、米・英・中・ソの四カ国代表による対日理事会の会場となったビルだ。その五階に、昨年十二月、仏系デクシア・クレディ・ローカル銀行(本店・パリ市)が東京支店を開設した。 支店長室の窓からは皇居の馬場先門と日比谷濠が見え、その先には日比谷公園、霞が関の官庁街が広がっている。東京支店の受付からまっすぐ続く通路の両脇には、大手証券会社や銀行、有名法律事務所などから贈られた胡蝶蘭が飾られている。「デクシア東京支店の開設認可は、通常よりもかなり早いタイミングで出した。地銀と地方自治体の“もたれあい”にぜひともクサビを打ち込んで、手つかずだった“最後の不良債権”処理を進めて欲しいからだ。五味(廣文・金融庁)長官や福井(俊彦・日銀)総裁も期待している」 金融当局の熱烈な歓迎は、政治や地縁・血縁などのしがらみ、また監督官庁である総務省との縄張り問題などから思うように進まない「第三セクターも含めた地方自治体と地銀など地域金融機関の一斉処理に向けた起爆剤になり得る」(日銀筋)との期待に基づく。

記事全文を印刷するには、会員登録が必要になります。