解禁期日間近のこの期に及んで、まだ抵抗を続ける経団連。いまさら「鎖国」はできないものを…… 二〇〇七年も株高で明けた。東京・兜町の東京証券取引所。証券レディの振袖姿が華を添えた一月四日の大発会では、日経平均株価が昨年末に比べて百二十七円高い一万七千三百五十三円と、昨年四月以来八カ月半ぶりの高値を付けた。世界経済の順調な拡大に加え、オイルマネーを背景にした世界的なカネ余りが続くとの見方は根強く、株式専門誌や夕刊紙には早くも「年末二万円」の大活字が舞っている。 今年の日本株には市場関係者が異口同音に言う「好材料」がある。五月に解禁される「三角合併」だ。この解禁によって、外国企業による日本企業のM&A(合併・買収)が飛躍的に増えるというのだ。年初の株式市場では、食品や医薬品といった業界再編が予想される業種に買いが集まったが、これもこうしたM&Aを見越した思惑からだった。「三角合併」とは株式交換を使って企業を買収する手法のこと。たとえば、外国企業Aの日本子会社と買収対象の日本企業Bを合併させ、日本企業の株主にはB社株に代えてA社株を供与する。従来行なわれてきた現金による買収と違い、多額の資金を用意する必要がなく、自社株を通貨代わりにできるため、一段と大型の買収が可能になる。欧米ではしばしば使われている手法だ。

記事全文を印刷するには、会員登録が必要になります。