「官邸のおもてなし」で安倍首相が発信する「日本の食」
2015年1月19日
安倍晋三首相は歴代首相の中で、最も熱心に日本の食文化と日本農産品のトップセールスに取り組んでいる首相と言っていいだろう。同首相になって官邸の饗宴が幾つかの点で変わったのもこのことと関係している。ある意味、官邸は外国首脳に向けた日本の食文化と農産品の発信拠点となっている。
来日した外国首脳のだれの時は饗宴を持ち、だれの時には持たないと外交慣例で決まっているわけではない。ただこれまで非公式訪問の時は省かれることが多かった。
しかし安倍首相は、「来日した外国首脳にはなるべく食事を差し上げよう」と官邸の事務方に指示している。それでなくても同首相のダイナミックな外交を反映して来日する外国首脳は多いから、饗宴は頻繁に持たれる。
和食と日本ワインで
饗宴は具体的にどう変わったか。第1に、それまで洋食、和食、和洋折衷の3種類のチョイスを提示して外国首脳の希望を聞いていたのを、和食1本に統一したことである(和食が苦手な首脳は洋食にする)。
第2に、以前はフランスを中心に外国ワインを出していたのが、安倍首相になってからは白、赤とも日本ワインとなった。もちろん首相の指示である。
第3に、それまで官邸と外務省が仕切っていた饗宴に、首相の指示で農水省もかかわるようになり、農水省の外食産業室に専門官が配置された。
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