伊藤忠「中国1兆円出資」を「歴史的」に読む

執筆者:樋泉克夫2015年1月23日

 1月20日の日本経済新聞(朝刊)は1面トップで、「中国国有大手に1兆円 伊藤忠・タイ財閥出資 複合企業CITIC 食糧や資源、幅広く連携」との見出しを掲げ、伊藤忠商事がタイ最大財閥の『CP(=正大)集団』と提携し、中国政府直属の投資会社である中国中信集団(CITIC)傘下企業に1兆円強を折半出資する方向で最終調整に入ったことを報じた。また外報面では、(1)昨年11月の北京における安倍・習近平会談にみられる日中関係改善への動き、(2)企業改革を急ぐ習指導部の意向、(3)習近平指導部に太いパイプを持つCP集団総帥のタニン・チャウラワノン(謝国民)による習近平主席や李克強首相への強い働きかけ――などが背景にあったと報じている。

 同じ20日、産経新聞は「上海株7.7%大幅下落 6年半ぶり 投機取引に規制強化」と、日経新聞は昨年の中国の対外投資が前年比で14%の伸びを見せたと伝えた。

 さらに日経新聞の同日夕刊では、1面トップで「中国、7.4%成長に減速 昨年、24年ぶりの低水準 不動産市場が低迷」との見出しを掲げ、不動産市場の低迷から投資や生産が伸び悩み、世界第2位の中国経済の減速が世界経済の不安要因になると報じている。

記事全文を印刷するには、会員登録が必要になります。