「イスラム国」人質事件背景にある中東「若年層の突出」問題
2015年1月27日
年明けからフランス、ベルギーと続いた、イスラム過激派による連続テロ事件。日本も無縁ではないことがハッキリした。過激派組織「イスラム国」による、日本人2人の人質事件である。安倍晋三首相の中東訪問に照準を合わせた脅迫動画の公開。タイミングを良く心得た所業というほかない。
恐怖を武器とした組織の誇示、ネットを使い世界のメディアを覆い尽くす情報空間の支配、中東問題に対する先進国世論の分断。野蛮なテロ組織は極めて狡猾であり、21世紀の「非対称紛争」で主導権をとるための悪知恵を、良く心得ているようにみえる。テロに屈しない闘いは、思いのほか難しい。
残虐行為の「費用対効果」
パキスタンの学校を襲撃し、140人以上の犠牲者を出したテロ事件について、米紙『ウォールストリート・ジャーナル』(2014年12月18日・電子版)は、冷徹にメスを入れている。記事のタイトルは「残虐さを競い合うイスラム過激派 合理的な『費用対効果』分析」。パキスタン・タリバン運動(TTP)はイスラム過激組織だが、「イスラム国」の成功に刺激を受けたというのだ。
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