「ロシア経済」と「アフリカ経済」の相似点

執筆者:平野克己2015年2月5日

 1月20日、国際通貨基金(IMF)の経済予測が発表された。2015年の世界経済成長率予測を3.8%から3.5%に下方修正、なかでもロシアはプラス0.5%からマイナス3%へと大幅に引き下げられた。石油価格の急落とウクライナ情勢がその理由だ。

 その前日、19日には欧州復興開発銀行(EBRD)が予測値を発表したが、こちらは2015年のロシアの経済成長率をマイナス4.8%、旧ソ連地域についてはマイナス0.3%としている。昨年9月の予測値に比べそれぞれ4.6ポイント、2ポイントもの下方修正である。EBRDはこの地域を専門とする金融機関だが、いまのところこれがもっとも悲観的な予測数値だ。

 

アフリカは内需で経済成長

 ところで、IMFの2015年アフリカ経済予測は、ナイジェリアが4.8%成長、南アフリカが2.1%成長、サブサハラ・アフリカ地域全体では4.9%成長となっている。各々2.5ポイント、0.2ポイント、0.9ポイント引き下げられたが、どれも人口増加率を上回る数字であり、2016年にはさらに成長が加速するとしている。資源ブームが去っても、石油価格が急落しても、“Africa Rising”は続くという観測だ。

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