安倍晋三首相は一月九日から十三日まで英、独、ベルギー、フランスを歴訪したが、最大のポイントはこれまで日本にとってさほど大きな位置を占めていなかったベルギーだった。欧州に日本外交の新たな支点を作る上で、ベルギーは要である。 ベルギーの首都ブリュッセルは欧州連合(EU)と北大西洋条約機構(NATO)の本部を抱える。加えて同国は、今年から国連安全保障理事会の非常任理事国である。要となるベルギーを押さえ、英、独、仏の主要三カ国に個別にアプローチする。これが欧州歴訪の狙いだった。 実際、十一、十二の両日滞在したブリュッセルで、安倍首相は超多忙な日程をこなした。十一日午前、ベルリンから政府専用機でブリュッセルに到着した首相は、まずEU本部でバローゾ欧州委員会委員長と会談。夕方は迎賓館「エグモン宮」でベルギーのフェルホフスタット首相と会談した後、同首相主催の夕食会に臨んだ。 この夕食会は「公式饗宴」で、両国政府関係者のほか、ベルギー在住の日本の企業関係者、文化人、芸術家など計七十人が招かれた。〈料理〉 舌平目のフィレと車エビのシンフォニー、新鮮なアサツキとカレー味のソースで 子牛のフィレ、森キノコとチコリを添えて

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