今夏の七月十八―二十五日、中国とロシアは仰々しくも「平和の使命―二〇〇七」と銘打った共同軍事演習を、ロシアのボルガ・ウラル軍管区のチェリャビンスク市で実施する。〇五年八月、中国山東省で総勢一万人が参加した大規模演習の第二弾だ。 三月初め、バルエフスキー・ロシア参謀総長が訪中し、「反テロ」を掲げ双方が一個連隊三千人規模を派遣する骨格が固まった。前回は国防相や駐在武官ら数人の観閲にとどまった中央アジアの上海協力機構加盟国も、カザフスタン、ウズベキスタン、タジキスタンは一個中隊規模、キルギスは一個小隊規模の兵員を送り込む計画という。 ロシアのプーチン大統領は最高司令官として観閲する方針を早々と決め、昨秋から胡錦濤総書記も参加するよう中国側に打診している。ただ中国は、米国への配慮に加え、契約済みにもかかわらずロシアの武器・軍事技術の供与が遅れていることに「大いに不満を募らせている」と、中国軍幹部は語る。 四月には、ロシアのセルジュコフ国防相が就任後初の外遊先として中国を訪問する予定。もともとは昨年九月に国防相訪問を予定していたが、中国の不満の矢面に立ちたくない当時のイワノフ国防相が渋り、延期していた。

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