ウラン濃縮による核兵器開発を強引に継続しているイランが、将来、米国から軍事攻撃を受けた場合、ペルシャ湾岸諸国にある米国の施設を一斉に報復攻撃するため、スパイ網の構築を急いでいるとの情報がある。 ロンドンに亡命中のイラン人外交官が明らかにしたもので、イランは最高指導部の指示によってサウジアラビア、アラブ首長国連邦、バーレーン、カタールなどの湾岸諸国に多数のエージェントを潜入させている。 これらエージェントは各国で教師、医師、看護師を装って働く一方、現地の同胞シーア派住民などの間でひそかにスパイ細胞づくりを行なっている。こうしたスパイ網構築やスパイの訓練は、首都テヘランの諜報機関の幹部クラスが直接指導し、イランの核施設や軍事施設が米国の爆撃を受けた直後の具体的な行動計画を練っているという。 米国の攻撃後四十八時間以内に、これらのスパイが湾岸諸国にある米国大使館、領事館、米国企業の事務所や施設などに対し大規模な報復テロを加えることや、現地住民を巻き込んだ一斉反米蜂起を煽動することなどが計画されていると、同外交官は語っている。 湾岸諸国でのスパイ網づくりは昨年夏以降、急ピッチで進められており、イランの思惑からすれば現在はほぼ完成に近づいていると推測されるという。

記事全文を印刷するには、会員登録が必要になります。