東大医学部教授はどう選ばれるのか

執筆者:髙本眞一2015年2月28日

 医学部の教授の選考方法は、大学によってそれぞれ違います。教授会で決めるところが多いようですが、臨時で作られた選考委員会で決められる、あるいは、私立大学では理事会で決めるところもあるそうです。さて、東大医学部の教授は、どのようにして決められるのでしょうか。

 東大医学部の教授選は公募ではありません。まず、学部長を含め関連科の教授からなる約6名程度の選考委員会が結成されます。次に、同委員会が、適当な年代の候補者を全国の大学から60~80人リストアップ。その時点では、選考は秘密裏に進められ、本人には何も知らされません。さらに、業績や評判を各委員が調査し、5、6名前後にまで絞ります。そこで、初めて本人に業績をまとめたペーパーを出すように事務局長が依頼します。しかし、この時点でもなお教授選のことは伏せたままです。

 私が胸部外科の教授に就任する際の教授選も、同様なプロセスがとられましたが、正直、なんの目的かをはっきり書かないまま、「期限までにペーパーを出せ」と命令口調で書いてあるのに対して、何を偉そうにと感じたことを記憶しています。おそらく、高圧的な姿勢は、東大の教授選にリストアップされたら、断る人間などいないだろうとの前提でのことなのでしょう(実際には断る人もいます。そういう人材はたいてい海外に流出してしまいます)。

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