改革派を自称する知事は数多いが、本当にムダを省き財政を立て直した知事はあまりいない。県債発行残高を倍増させて去った有名知事すらあった。そんな中で、着実に改革を進めたのが岩手の増田知事。退任前に成功の秘訣を聞いた。 今年は全国で実施済みを含め二十一の知事選挙が予定されている。四月八日の統一地方選挙では、岩手も含む十三の知事選のほか、道府県議会選挙が行なわれる。相次ぐ談合摘発で、温存されてきた地方利権にメスが入り始め、自治体の財政破綻をきっかけに杜撰な行政の実態も明らかになりつつある今、有権者は何を尺度に投票を行なうべきなのか。早くからローカルマニフェスト(政策とその実現性を裏付ける財源や期限など具体的な数値を伴った地方版の選挙公約)を掲げ、岩手県知事を三期務めた増田寛也氏(五五)に、地方のあるべき姿を聞いた。――今回の統一地方選は、どのような選挙になると考えていますか。増田 議会の選び方が重要になります。この一月に新しい知事が誕生した宮崎は典型的ですが、今回の県議会選挙で旧来と同じ目線で議員を選んでしまったら、知事と議会が対立ばかりしてしまう。もし宮崎を変えたかったら、知事を選んだ目線でもう一度県議を選んで、新しい議会を作り直すことです。議員側も会派ごとにマニフェストを作って公表すべきです。また、知事に対して与党の立場に立つのか、野党の立場に立つのか、明らかにした方がわかりやすいのではないでしょうか。

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