花の嵐よろしく、日経平均株価が2万円の大台の手前で、荒れ模様となっている。上昇ピッチの速さから、さすがに利食い売りが出るだろう。市場関係者の多くがそんな見方を取っているようだ。ならば今の日本経済はバブルなのだろうか。

 恐らく否だろう。日本企業の企業業績が上向いているうえに、金利は世界的にみて低水準。自然な株価上昇を促す市場環境が整っている。海の色が変わるというが、デフレと賃金の低迷、株安の時代には、ようやく幕が引かれつつあるようだ。

 こう言っても、素直に聞き入れてもらえない雰囲気が、日本にはある。資本主義終焉論から国債暴落論、円暴落論に至るまで、書店に行けば悲観的な経済書が平積みにされている。何事によらず、先行きを慎重に見るのが、「失われた20年」の生んだ社会心理なのかもしれない。

 

なぜか求められる「終末論の預言」

 なかでも週刊ニューズレター『溜池通信』発行人の『かんべえ』氏が紹介する、高名な大学教授の言が奮っている。教授はある講演会で、アベノミクスによる円安は止められなくなると宣うたうえで、「(1ドル=)120円を超えたら150円までは一気に行く。150円を超えたら200円。この辺は完全に暴落で円に値段がつかないという方向に行く。そこの寸前まで来ていると思います」と断ずるのだ。

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