日朝交渉「暗礁」(上)なぜこの時期に「議長宅捜索」だったのか?
2015年4月10日
北朝鮮の朝鮮中央通信は4月2日、日本が拉致問題を国連人権理事会で取り上げたり、日本の警察当局が在日本朝鮮人総連合会(朝鮮総連)の許宗萬議長の自宅を家宅捜索したりしたことを非難し「こうした状態では朝日政府間の対話ができなくなった」とする「通知文」を、外交ルートを通じて日本側へ同日伝達したと報じた。
昨年10月28、29両日に外務省の伊原純一アジア大洋州局長を団長とする日本政府代表団が平壌を訪問し、北朝鮮の特別調査委員会幹部と協議した。日本側は拉致問題の再調査を最優先にするように求め、北朝鮮側は「過去2回の調査結果にこだわらず、新しい角度からくまなく調査を深めていく」との方針を伝えた。
しかし、その後は公式の日朝協議は開かれず、北朝鮮側から拉致被害者の安否情報などの通告はなく、協議が停滞している。
北朝鮮側が「政府間の対話ができなくなった」と通告してきたことで、昨年5月29日に発表された「ストックホルム合意」は危機に直面することになった。
「拉致問題国際化」は「重大な政治的挑発」
北朝鮮の「通知文」は「最近、わが共和国に対する日本の重大な政治的挑発と国家主権侵害行為が度を超えた」と指摘した。
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