「小市民」的高校生

執筆者:2007年6月号

「最近の若い者は」と思うのは年老いた証拠と肝に銘じてはいるが、それにしてもどうしてこうなんだ、と思うことばかりである。一人一人見ている限りは、ひ弱でおとなしく、これで生きていけるのかな、と心配したくなるほどだが、ひとたびこのひ弱な花たちが集団化すると、信じられないほど凶暴になる。それほどまでではない者たちにしても、意思疎通ができない、知的向上心がない、社会のために自分に何ができるかというような発想すらない、と挙げればきりがない。 そう感じているところに、それを裏付けるような調査結果が出た。財団法人の日本青少年研究所が、日本、米国、中国、韓国の四カ国で計およそ六千人の高校生を対象にした意識調査の結果を発表した。そこで浮かび上がってきたのは、自分の周りの小さな幸せだけを追い求める小市民的な日本の若者の姿である。「偉くなりたいと思う」という項目に「ぜひそう思う」「まあ、そう思う」と答えた高校生は日本44.1、米国66.1、中国85.8、韓国72.3%。「高い社会的地位につきたい」は「ぜひ」と答えた割合が、日本14.1、米国38.2、中国36.2、韓国27.3%。半面、「社会をよくするための努力をしたい」が日本19.6、米国33.8、中国28.2、韓国22.0%だった。

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