保険金不払い問題で揺れる保険業界で、損保最大手の東京海上日動火災と、生保大手の明治安田生命が、経営統合も視野に包括提携するとの観測が浮上してきた。もともと東京海上日動と明治安田は同じ三菱グループ。実現すれば生損保の垣根を越える大型再編になる。 規制緩和で生損保の垣根は低くなり、今年十二月に控える銀行窓口販売の全面解禁で、生損保の主力商品である医療保険や自動車保険の販路が広がる。東京海上日動と明治安田の提携には、企業規模と品揃えで同業他社を圧倒、海外の巨大保険グループに対抗しうる基盤を作りたいとの思惑がうかがえる。 キーパーソンである東京海上日動の石原邦夫社長は保険金不払い問題で社長辞任を表明したが、会長として残ることを決めたのも、「再編の布石」(大手損保幹部)との推測を呼ぶ。 ただ、生保と損保では、営業スタイルも企業風土も異なる。日本生命の傘下入りしたニッセイ同和損保(旧同和火災)も業績が伸び悩むなど、生損保一体のビジネスモデルがどこまで市場で通用するか不透明だ。

記事全文を印刷するには、会員登録が必要になります。