日本共産党の志位和夫委員長が「独自入手」したと会見で公表した自衛隊情報保全隊作成の内部資料が、防衛省に大きな波紋を広げている。保全隊の調査・情報収集活動の内容がすこぶる低レベルだったからだ。「注意」と記された内部文書には、自衛隊に批判的な市民団体や個人を恒常的に監視した結果が記載されているが、集会に参加した高校生や一般市民、プロレタリア作家・小林多喜二の展覧会関係者、映画監督の山田洋次氏、新聞記者までを「反自衛隊」として実名表記している。 久間章生防衛相らは「資料が実物かは確認できない」との説明に終始しているが、陸上自衛隊幹部は「資料は実物で情報保全隊から共産党に流出したもの」と認めた上で「調査内容があまりにも幼稚、稚拙なため、実物と認めたくないとの判断を上層部がした」と裏事情を説明する。内局幹部も「保全隊はこんな低次元の調査をしているのか」と言葉を失ったという。

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