かつての“市場の荒らし屋の手法”が、今では“究極の投資”ともてはやされている。だが、いったん読みが外れれば……。「オルタナティブ投資」。一般的にはあまり馴染みのなかった投資手法が、いま、脚光を浴び始めている。 たとえば爆発的な売れ行きとなっている投資信託だ。昨年七月の発売からわずか十カ月で二千七百億円の資金を集めた野村証券の投資信託「ノムラ・オールインワン・ファンド」は、五〇%の資産をオルタナティブ投資で運用している。また、世界有数の大手機関投資家である米大学基金(基金規模は十億ドル超)も「オルタナティブ投資に約四〇%の資産配分を行ない、高い運用効果を上げている」(日本の大手証券幹部)という。 資産運用の手段として我々の暮らしに静かに浸透するオルタナティブ投資とはどのようなものか。 従来の投資手法として一般的なのは、株式や債券などの「伝統的資産」に投資して値上がり益や配当収入を見込むやり方だった。オルタナティブ投資はそうした伝統的な資産運用を超え、不動産や商品などの「代替資産」を投資対象としたり、株式や債券などの現物取引ではなく先物やオプション、空売りといったデリバティブ(金融派生商品)などの「代替手法」を駆使して利益をたたき出す。

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